| ■コーチングの定義
ビジネスコーチやパーソナルコーチの健全な育成とコーチングの普及を目的とした、世界で最大機関である国際コーチ連盟(ICF)によると、
「コーチングとは、クライアントのプライベートでのゴールや、仕事上のゴールへ、達成する可能性を最大にする為に、じっくり考えたり、創造したりするパートナーとなる事である」
「コーチングはクライアントのビジョン、目標・願望の実現に向かって、クライアントが行動できるように協力するオンゴーイング(進行中)の関係である」とあります。
つまり、コーチングとは、クライアントのゴール達成のために、継続的に関わっていくことなのです。
■コーチングの歴史と、今までのコーチング
コーチの語源はハンガリー北部にある村の名前コークスから来ています。その村の地場産業であった自家用四輪馬車から由来しています。
コーチと呼ばれる人々が誕生したのは、19世紀頃だと言われています。個人の能力開発や個別指導で、きめ細かく教えた家庭教師を、人を乗せて目的地までしっかり運ぶ馬車になぞらえてコーチと呼びました。馬車の進むルートやスピードは、乗っている人(クライアント)が決めることができ、行きたい道を通って目的地まで行けるのです。
これに対して、トレーニングとは、列車のトレイン(Train)が語源で、線路のように軌道が決まっていて、降りる駅も、スピードも乗客の自由にはなりません。教育の世界での今までのやり方はトレーニングだったと言えるでしょう。
さて、目標達成のために自発的行動を促す技術・手法として、コーチングが確立し、ビジネスの世界で確立され始めたのは、1990年に入ってからですが、その後、90年代半ばには、日本でもアメリカから導入され、活用されるようになり始めました。一般的には、2000年代に入って、ビジネスやスポーツの世界でコーチングが流行しました。
コーチングを実践するとき、コーチはいつもクライアントの“自立の意識”を大切にして関わります。しかし基本的に、個人の選択を尊重し、自立意識を小さいころからしっかり植えつけられて育っている欧米人と、添い寝の文化で育った多くの日本人の意識には大前提にズレがありました。
日本では、一部の目的意識のはっきりしているビジネスパーソン、スポーツ選手には欧米式のままのコーチングで大きな成果が出たのですが、そのほかの人々にはなかなか成果が出なかったという事例も、たくさん報告されています。馬車に乗っても、自分で行きたいところを自覚できないのです。
自立については、別に詳しく説明しますが、このズレを確認・修正をしないでコーチングを進めてしまうと、効果が出ないということになります。
そこで、私たちがご提案するのが「自立型コーチング」です。特定健診の保健指導では、メタボと診断されたもののあまり真剣にそれに取り組む意思のない対象者を扱わなくてはならない、という事態が予想されます。
従来のコーチングで関わるのが難しいとされている、「目的・目標」を持たない人を相手にしなければならない、という状況です。このような場合には、単なる技術としてのコーチングでは、対象者が「目的・目標」に対してやらされ感を抱く危険性がとても大きく、せっかく決めたプログラムも長続きしません。
ここでは対象者自身が保健指導を自分のこととして捉えプログラムを実行していく、という「自立の意識が必要不可欠です。
例えば、このプログラムでは、一番重要といえる「何のためにするのか」をはじめ、「実行することによって自分は何を得られるのか」「終了した時に自分はどのようになっているのか」「やる必要があるのだ!」等々全ては自分の事であり、自分で「やる」と決めた、という自立の意識を対象者がしっかり持つことが目標達成の鍵になると考えます。
そんな従来のコーチングだけでは解決できなかった対象者の当事者意識を高めるのが「自立型コーチング」です。
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